特別受益・寄与分

 考慮されます。

  民法903条1項は,「共同相続人中に,被相続人から,遺贈を受け,又は婚姻,養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるとき」は,その遺贈・贈与を特別受益として考慮し,相続分を定めることとしています。

【質問】 母が亡くなり,私と兄が相続人となりました。相続財産として,預貯金約50万円と実家の土地建物(時価合計1500万円)があります。先日,兄から「お前は結婚時に2000万円を贈与されていて相続分はないから,『相続分なきことの証明書』を書け。」と言われました。私の相続分がなくなるのはなぜですか。『相続分なきことの証明書』は書かなければなりませんか。
 

  できます。

  民法904条の2第1項には,「被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付,被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした者」の相続分は,その寄与分を考慮して算出する旨の定めがあります。

 寄与分は,共同相続人の協議で定めるのが原則ですが,協議が調わない場合や協議ができない場合には,家庭裁判所が,寄与者の請求により,寄与の時期,方法および程度,相続財産の額その他一切の事情を考慮して,寄与分を審判で定めます。 

 

                                                (文責 弁護士 檜山洋子 2010.10.12)

 できません。

 「寄与分を定める」部分の遺言は無効と解されています。遺言は法定事項に限られているところ,民法は寄与分の指定を遺言事項とはしていないからです(民法893条,894条2項,902条,903条3項,908条,914条,1034条但書)。