女性が社会に進出するということ

女性が社会に進出するということ

当事務所の創立者である吉井が亡くなる間際,

「これからは女性が活躍する時代になる。君たち女性が頑張らなくてはいけませんよ。」

と言い残しました。

今から約2年前のことですが,そのころはまだ,私自身,女性が社会に出て活躍することの大変さを実感できていませんでした。

というのも,私は,共働きの家庭に育ちましたので,女性が家庭と仕事を両立して働くことは当然だと思っていましたし,学歴がなくて大変な思いをした両親が無理して大学を出してくれたおかげで,手に職を付け就職することもできていたからです。

その上,男尊女卑の思考のかけらもない(というより,むしろ女性をえこひいきしてくれる)吉井の下で長年働いていましたので,女性であることは得なことはあっても損なことは全くない,と心の底から思っていました。

しかし,吉井の死後,女性に対する明らかな差別的発言や差別的扱いを幾度か経験することになりました。

 

いくら,女性管理職の数を増やし,待機児童問題を解消し,税制を改正して働く女性や共働き家庭の負担を減らしても,女性蔑視の思想が息絶えない限り,女性が社会で活躍することには大きな困難がついて回ることでしょう。

障がい者,外国人やLGBTに対する差別的思想も同様ですが,差別をする人の思想を変えることはほぼ不可能です。

差別をする人が絶滅するまで時間はかかるでしょうが,我々のようないわゆる「弱者」は,それまで堪え忍び,いつか来る日のために力を蓄えていきたいと思います。

清く,正しく,美しく。

(2016.8.27. 弁護士檜山洋子)