租税等の請求権

租税等の請求権

 平成27年6月に刊行された今中利昭先生傘寿記念論文集『会社法・倒産法の現代的展開』に「破産における租税等の請求権をめぐる諸問題」という論文を書きました。今中利昭先生は、私が司法修習生時代に指導弁護士の久保井一匡先生(元日弁連会長)を通じて宇佐美明夫先生の事務所に勤務弁護士として就職を世話していただいたことを初めとして、今日まで、色々お世話になっている高名な学者弁護士です。私は、今中利昭先生の還暦記念論文集・古稀記念論文集にも倒産法の論文を書きましたし、今中利昭先生と共著の単行本や論文もかなり書かせていただきました。

 

 租税等の請求権については、平成24年3月に「破産債権である租税等の請求権の破産手続における取り扱いについて」を、平成26年7月に「租税等の請求権の破産手続における処遇について」をエートスエッセイに書きましたが、論文と言えるようなものではありません。今回の論文は、このふたつのエッセイに書いた内容も含めて、破産法上の租税等の請求権に関する実体上・手続上の問題を網羅するものとして書いた論文です。

 

 公租公課に関する倒産法の規律は、税法・社会保障法・国税徴収法(滞納処分)・行政事件訴訟法と倒産法が交錯する倒産法プロパーの範囲から外れている特殊分野で、倒産法学者や倒産実務家にとっては苦手分野です。学説自体がほとんどありません。 

 

 私は、国民年金・厚生年金・健康保険に関して、平成4年から日本年金機構や全国健康保険協会となった現在まで、顧問弁護士として長年にわたって保険料の徴収(滞納処分)に関する相談を受けてきました。また、かなりの件数の破産管財人をしてきました。そして、行政訴訟の行政側の代理人もしてきましたので、私にとっては、この論文に書いた内容は割と身近なものでした。

 

 この論文は、公租公課の徴収担当者が行う滞納者の破産手続における滞納整理事務や、破産管財人の管財事務(破産管財人になる弁護士の多くは租税法や社会保障法を勉強していませんから公租公課に関する知識が余りありません)の参考になれば幸いだと考えて書いたもので、議論が余りない箇所や全くない箇所を中心に私見(単なる思いつきです)を述べたものです。

 

 内容は、法律実務家でもかなり難しいので、一般の人にはさらに難しいのですが、エートスエッセイ用に、この論文原稿(ワードで作成しました)に手を加えて、表現等を多少改め、必要な加筆を行い、引用法令や判例集は正式名称にし、脚注や学説の出典は省略するなどして修正をしました。したがって、刊行されたものと内容が多少異なっています。

 

 興味のある方はお読みください。

 

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