利益相反(conflict)

利益相反(conflict)

 事件を依頼している弁護士から,「今度はAさんからあなたに対する請求の依頼を受けましたので,Aさんにお金を払ってください。」という通知が来たらどう思うでしょうか。

 自分の利益を守ってくれるはずの弁護士ですから,怒りますよね。そんな弁護士がいたら信頼することはできません。

 弁護士はクライアントと他のクライアントとの利益が相反する事件を受任することは原則としてできません(弁護士法25条,弁護士職務基本規定27・28条)。

 全国で年に数人は,受任してはならない事件を受任したとして懲戒処分を受ける弁護士がいます。

 

 このような問題は意外とよく起こります。

 特に,倒産事件においては,債権者を初めとして倒産企業には多数の利害関係人が含まれます。

 その利害関係人の中にクライアントが含まれることが時々あるのです。

 事務所内の他の弁護士が公的機関や金融機関,貸金業者の顧問をしていると,相談に来られた倒産企業の債権者の中にそれらの顧問企業が含まれているのです。  

 ある法律事務所内のある弁護士のクライアントを相手方とする事件を同じ事務所の他の弁護士が受任することも同様に禁止されます。

 したがって,このようなご相談があっても弁護士はご依頼を受けることができません。

 せっかく頼りにしてお越しいただいたのに,お断りしなければならないことは,弁護士にとっても大変つらいことです。

 

 ただ,金を払えといって内容証明郵便を送りつけた後にその相手方が他の事件の依頼人だったと気付く,なんてことがないように,当事務所では受任時に利害関係(conflict)の確認を行っております。確認作業に若干の時間をいただくことがありますが,ご理解とご協力をお願いする次第です。

                                                      (2012/4/21 弁護士宮藤幸一