事業再生(民事再生等)・事業再編

 事業再生手続きとして,株式会社の場合は民事再生と会社更生があります。簡単に言えば両手続きとも,資金繰り等に行き詰った会社が,債権者の債権をいったん棚上げにして譲歩を求め,棚上げ債権の一部の免除等で債務を圧縮し,圧縮した債務を資産の売却や将来の収益等で債権者に弁済するとう手続きです。(以下続く。) 

私的整理とは,法的処理手続によらないで,債務者と債権者及び債権者相互間の合意の上で行われる倒産処理をいいます(以下続く)。

経営不振に陥った会社の経営者の方がエートス法律事務所にご相談にいらっしゃった場合,我々は,その会社を再建する手だてがないかにつき,あらゆる面から検討し,再建の可能性が少しでもある会社には積極的に再建のためのアドバイスをさせていただきます(以下続く)。

民事再生は,資金繰りが困難になったり,債務超過に陥ったりするなどして,経済的窮状に陥った法人(株式会社以外の法人でも利用できます。)が,法人再建のために利用できる手続です。

債務の支払いが困難になった個人の方の利用も可能ですが,個人の場合には,民事再生(通常再生)の特則として設けられているいわゆる個人再生手続を利用される方がほとんどです(以下続く)。
 

民事再生手続を成功させるためには,事業を継続することによって利益を上げていけることが絶対条件となります(以下続く)。
 

民事再生手続の一般的なスケジュール例は,大阪地方裁判所によれば,以下のようになります(以下続く)。

 

 

1 再生債務者の義務と責任
(1)再生債務者は、原則として業務遂行権及び財産管理処分権を維持しますが、権限行使にあたっては、債権者に対して公平誠実に再生手続を遂行する義務を負います(民事再生法38条2項)。
 

 

  取締役会設置会社が民事再生を申立てる場合,会社の重要な経営方針に関する「その他の重要な業務執行」の決定として,

 取締役会決議が必要となります(会社法362条4項)。

  取締役会を開催するにあたって注意すべき事項は以下のとおりです。

民事再生の申立ては,債権者にとっては自己の利益に関わる重大な事項ですから,

事前に知れることがあると債権者が会社や倉庫に押し寄せてくるなど混乱を招く恐れがあります。

したがって,民事再生の申立てにおいて機密を保持することは極めて重要な事項です。

事案によって異なることもありますが,一般的には以下のような事項に留意する必要があります。

 

民事再生手続開始申立て(民事再生法21条)は,申立書を作成してその申立書を裁判所に提出することによって行います(民事再生規則2条1項)(以下続く)。
 

弁済禁止の保全命令が出されると,再生手続開始申し立てから開始決定までの間,申立前の原因によって生じた債務の弁済ができなくなります。

しかし,弁済禁止の仮処分は,下記のものが除外されることが典型です。

                          

 

 

  監督委員は,民事再生手続が原則として再生債務者が主導して行う手続であることから,再生債務者による手続を監督します。(以下続く)

民事再生を申し立てた直後は,債権者から取り付け騒ぎが発生したりして現場は混乱しますので,

全社一丸となって保全措置をとる必要があります。

具体的には以下のことがポインとなります。

  上場会社や社会的に注目されている会社の民事再生申立に当たっては,マスコミから取材を受けることがあります。

 あまりに多くのマスコミが押し寄せる可能性がある場合には,共同記者会見を行うこともよくあります。

 

 いずれの場合も,事前の十分な準備が不可欠です。

 上場会社は民事再生手続開始申立に伴って整理ポストに入るのが通常です。

 そのため,申立てと同時に証券取引所に申立ての事実を連絡することが要求されます。

 ただし,インサイダー取引規制の関係から,申立て前に報告することはできず,申立て直後に連絡をすることが必要です。

 証券取引所への連絡の際,幹事証券会社への連絡も忘れないようにしましょう。

  取引先等債務者が民事再生を申し立てた場合,債権者としてどのような対応をしたらよいでしょうか。

 

 債権者としては,まず,再生手続に協力するかどうかを決断しなければなりません。

 取引先が再生してくれれば,今後も取引を継続して行けますので,債権者にとっても利益があります。その利益を得るためには,再生手続において債権カットを受け入れることになるでしょう。

 

民事再生を申し立てた再生債務者は,債権者に対してその説明を行う機会を速やかに設けるべきであり,申立てをした後,速やかに債権者を対象に債権者説明会を行うのが通常です。なぜならば,民事再生手続を成功させるためには,債権者の協力が不可欠であり,その債権者に直接事情を説明して理解を求めることは必須だからです(以下続く)。
 

申立後において,裁判所が,再生手続開始原因が存在し,申立棄却事由がないと判断された場合に開始決定が発令されます。

発令の時期としては,大阪地方裁判所においては,申立後約1週間が通例です(以下,続く)。

  契約当事者の一方に民事再生手続が開始された場合,契約(※)はどうなるのでしょうか。

 

 再生手続開始決定によって,法律上,当然に,契約が無効になったり解除権が発生したりするわけではありません。

双務契約とは,契約の当事者双方に対価的な債務が発生する契約で,売買契約や請負契約などがこれに当たります。